戦略爆撃の思想 目次
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 序 章 眼差しを欠いた戦争
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ゴヤと郭沫若/戦争進化の失われた環/戦史初の戦略爆撃作戦/眼差しを欠いた戦争/「もう一つの真珠湾」/国共合作の陰謀が渦巻く都で

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 第1章 重慶爆撃への道(一九三一―三七年)
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●抗日首都の誕生
もう一つの長征/一大退却作戦最後の砦/揚子江と嘉陵江に挟まれた半島、龍の首/放棄された日本租界/「蒋介石の都」重慶の栄光と悲惨/南京から遷都し、 抗日戦の根拠地に /難渋を極めた工場移転/中国社会の縮図が現出/周恩来の秘密任務

●戦略爆撃の誕生
爆弾が翼を得た/民間人攻撃の新軍事理論/ミツチェル将軍とその門下生たち/ヒトラー、ムソリーニ、フランコ/ドイツ空軍、ゲルニカ空爆/イタリア空軍の エチオピア爆撃

●石原莞爾の錦州爆撃
真田紐で爆弾を吊るして出撃/東京裁判における石原の証言/国際連盟の日本軍撤兵決議と第一次「上海事変」

●南京渡洋爆撃
日本政府、不拡大方針を放棄/「世界航空戦史未曾有の大空襲」/南京大虐殺と並ぶ大空襲/国際連盟の対日非難決議とルーズベルトの対日非難演説

●大武漢保衛戦
「武漢を東方のマドリードに!」/歌詠デー、郭沫若の呼びかけ/米ソの義勇飛行士の参加/武漢陥落、重慶へ

●漢口W基地の建設
伸びきってしまった補給線/重慶爆撃計画が浮上/航空機で結ばれた陸海軍蜜月時代/「重慶定期」の発進地、「W基地」/戦略爆撃は日本独自のもの

●重慶初爆撃
重慶とゲルニカの共通性/爆撃目標は街の広場「中央公園」/初出撃、陸軍二二機、戦果上げられず/中国軍戦闘機と初の空中戦

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 第2章 無差別爆撃の始まり(一九三九年)
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●五月の新首都
陽光を待ちこがれる人々/ 走馬灯のように風景の変わる都市/周恩来の事務所「周公館」の面々/丸裸同然の防空体制

●中攻爆撃機発進
霧季の終わりの重慶防空司令部/海軍航空隊の功名心/九六式陸攻四五機、一路、真西七八〇キロの重慶へ/重慶防空司令部に刻々と伝えられる敵機来襲/「敵 機来襲」を市民に知らせる赤火球/都市爆撃の申し子、焼夷弾の登場

●五・三の爆撃
中国機三〇機の応戦/重慶市民が体験した空襲/肖少年が見た恐怖の光景/「意図的に市街地を狙った爆撃だ……」/猛煙が五月の太陽の光を遮蔽した/「死亡 六七三人、負傷三五〇人」/周恩来・桂林から重慶へ帰還/抗日救国の言論人鄒韜奮/月食の夜を焦がす火/徹夜の整備で連続爆撃準備

●五・四の爆撃
無差別爆撃非難の紙面/中攻二七機による連日爆撃/裏をかかれた中国軍機/焼夷弾による火の海に取り残された市民/ハン・スーインが描写した重慶爆撃/セ オドア・ホワイトが目撃した光景/炎の夜空に舞い上がる色とりどりの着物/「死者三三一八人、負傷一九三七人」/泣き喚く都に微笑む羅漢寺の仏像/第三国 権益の教会も罹災/各国大使館、領事館も被害/蒋介石空軍顧問、クリア・シェンノート米陸軍大尉/無数の死体が漂う揚子江と嘉陵江

●爆撃を記録する人びと
新たな虐殺形式の始まり/郭沫若、妻子を日本に残して抗日戦に加わる/文化活動の解放区、政治部第三庁/長谷川テル、「売国奴で結構です」/「国共同舟」 の連合版新聞の発行/延安からの批判の中で/二日間の死傷者の数はいくらか/米内海相の遁辞答弁/蒋介石、黄山山頂の官邸から重慶の火の海をながめる/ 「国辱の五月を雪辱の五月とせよ!」/「すべては統一戦線を通じて」/二人のアメリカ人ジャーナリスト

●エドガー・スノーの予告
スノーが見た重慶爆撃/重慶は決して滅びない/蒋政権の屈服を期待する/海軍報道部長の大言壮語/国際慣習をやぶる無差別爆撃を半ば認める/高まる重慶市 民の抗日意識

●霧季の救済
全世界災厄の年となった一九三九年/天与の煙幕、霧季の到来/戦略爆撃史に先行し独走した重慶爆撃/肖少年が見た日本機搭乗員七人の死体/持ち堪えれば きっと勝利すると信ずる中国民衆/桐生悠々が『他山の石』に引用した毛沢東の言葉

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 第3章 百一号作戦(一九四〇年)――「戦政略攻撃」の実行
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●無差別爆撃の立案
無差別爆撃の立案者・井上成美/ 新司令長官嶋田繁太郎中将の意欲/援蒋ルート遮断作戦/航空作戦の推進を図る海軍/天皇の意を汲んだ宜昌占領/世界的にもまれな大飛行部隊、三〇〇機

●日本海軍航空隊
大西瀧治郎の陣頭指揮/世界の航空戦を肥大化させた百一号作戦/時代を阿修羅のごとく駆けぬけた大西の生涯/大西の戦艦廃止、空軍独立論/海軍の機会便乗 と冒険主義/「要地攻撃」の名称で戦略爆撃思想を定式化

●百一号作戦の開始
火炎攻撃の主役は海軍/新型焼夷爆弾を開発/「爆弾の時間」は日常の一部/「百一号作戦は日本海海戦に匹敵」/山口司令官の訓示、「肉を切らして骨を切 る」/昼夜の別なく連日の「重慶定期」を/百一号作戦の開始/雲の上と下の被害の差/米艦ツツイラ号に至近弾

●パネー号事件の悪夢
第三国権益への被害を配慮/市街地爆撃区画表示/西欧向けとアジア向けの二重標準/井上成美が恐れた「悪夢」/第三国権益に被害/ルーズベルトからハル国 務長官へのメモ

●アメリカの警告
ルーズベルトの対日批判演説/有田書簡に対するアメリカの反応/ルーズベルト、対日都市爆撃の検討を命じる

●「重慶定期」爆撃
各国大使館、領事館の移転/百一号作戦最大の猛攻、六日連続市街地爆撃/連日の出撃で日本軍飛行士に疲労の色が/学校地区、水源地も爆撃目標に

●零戦の初陣
中攻機の撃墜増大に井上ら憂慮/井上成美が零戦投入を熱望/零戦の護衛で制空権を掌握/零戦の初出撃で「大戦果」/スメドレーが目撃してきた日本軍の侵略 /スメドレーが体験した百一号作戦

●日米開戦の予兆
真珠湾への導火線/百一号作戦の全般統計/栄進した将官たちと井上の挫折/周恩来の演説「国際情勢と中国の抗戦」/周恩来の「帝国主義論」/日米戦争の発 生と日本敗北の不可避を断定/「義勇軍行進曲」の大合唱

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 第4章 真珠湾への道(一九四一年)
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●日ソ中立条約のはざまで
今も残る数々の防空洞/かつての防空洞、いま地下「遊楽場」/合わせて四四万五〇〇〇人収容の防空洞を完成/口あけていた地底の惨劇/大部隊と新鋭機投入 の百二号作戦

●防空洞の大惨事
一九四一年六月五日の惨劇/洞内の熱気に耐えられず死んでいく幼児、病弱者たち/防空洞のなかの生き地獄/炎熱の洞内にもがく万余の人群れ

●地底の阿鼻叫喚
「毒ガスが落ちたぞ」/「外に出してくれ、苦しくてたまらない」/「先生、助けて下さい」/重なる死体を縄でしばって引きずり出す

●郭沫若の怒り
犠牲者数はいまなお不明/事故責任をあいまいにした蒋介石の自信=^「蒋王朝」を糾弾する郭沫若/康大川がみた「死の町」

●九死に一生の蒋介石
嶋田海軍大将の挑戦/対米英戦争への跳躍台に変質した「百二号作戦」/重慶を一望できる蒋介石の黄山山荘/遠藤少将、蒋介石山荘を急襲/一弾命中、蒋介石 あやうく命を落とす

●悪化する日米関係
遠藤三郎少将の「重慶爆撃無用論」/ツツイラ号事件/野村駐米大使とウェルズ国務次官の会談/日本政府の爆撃中止宣言、米は信用せず/現地部隊が爆撃停止 宣言を無視

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 第5章 爆撃下の周恩来とその同志
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●「蒋介石の都」
国共、爆撃下のせめぎあい/ 超過密都市と化した重慶/奸官奸商はびこり、民衆困窮/防空洞まで投機の対象

●空襲下の白色テロル
作家・茅盾が見た山城首都の惨状/白昼横行する共産党狩りのテロル/二つの特務機関、軍統と中統/完全監視される共産党要人/収容所内の拷問と密殺

●三つの顔をもつ男
「統一戦線工作の王者」周恩来/周・蒋の宿縁関係/周・蒋が一〇年目の再会、西安事件/蒋介石の部下としての周恩来/毛沢東の部下としての周恩来/統一戦 線組織者としての周恩来

●皖南事件の隠蔽
周恩来・郭沫若コンビ/周恩来の試練、皖南事件/報道禁止に窮余の一策/秘密司令部「周公館」/新四軍の再建

●花開く救国抗日文学
霧季の爆撃休止期に活躍する芸術家たち/左翼演劇運動の旗手・田漢/抗日文学『四世同堂』を書き始める老舎/救国抗日の原点『黄河大合唱』が初演される

●郭沫若『屈原』の初演
白色テロへの決意/「書いた、愛した、革命に挺身した」/わずか一〇日間で書かれた『屈原』/周恩来の支援で初演大成功をおさめる

●在華日本人民反戦同盟
中国人と結婚した長谷川テルの決意/前線の中国兵と日本兵へ/鹿地亘の作った反戦ビラ、日本本土へ投下/「在華日本人民反戦同盟」の発足/日本人捕虜が出 演して反戦劇公演/国共対立で公演中止/長谷川テルの戦死

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 第6章 重慶から広島へ
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●世界戦史に新形式を残す
航空機と火焔兵器の結合/ 日本海軍が主導した「空からの侵略」/都市無差別爆撃のミッシング・リンク重慶爆撃/重慶爆撃とアメリカの日本都市爆撃は同根/重慶爆撃を忘却のかなたに 閉じ込める日本

●日米開戦と重慶
日米開戦にアヴェ・マリアのレコードをかけて喜ぶ蒋介石/湧き立つ周公館に緊急指示/日米開戦で中国での戦争が一変/重慶で三国合同軍事会議

●英・独「報復爆撃」の応酬
無差別爆撃論者に豹変したチャーチル/当初は都市を目標としなかった独の英本土攻撃/英・独、互いの無差別都市爆撃へ/空襲下のロンドンで手記をしるす重 光葵

●チャーチルの爆撃理論
「地域爆撃」論/地域爆撃最初の都市リューベック/「爆撃機の川」から「経空攻撃」へ/夜間爆撃の英、昼間爆撃の米

●爆撃で壊滅するドイツ都市
B17とB24、ヨーロッパ航空戦へ/指揮官、アーノルド大将とルメイ大佐/照準器の欠陥で次第に損害率上昇/米の都市無差別爆撃、ハンブルクとドレスデ ン空襲/ドイツが降伏し、米、英軍型地域爆撃法を日本に適用

●中国発進のB29、日本空襲
カーチス・ルメイ少将、極東戦線へ転属/中国大陸から日本本土爆撃計画/成都に世界最大の飛行場建設/夜を日についだ基地建設工事/成都から初の日本本土 爆撃

●アメリカの焼夷弾集中爆撃
ルメイのナパーム焦土作戦/漢口の日本軍W基地を攻撃/漢口の日本軍軍事施設、日本租界火の海に/マリアナ諸島にB29基地を建設/精密爆撃論者ハンセル 准将を更迭

●そして広島への原爆投下
戦略爆撃の思想と技術の総決算/都市への焼夷弾爆撃の強化指令/原子爆弾投下計画が進行/「第一目標は広島だ」/「核を落とす思想」を告発できぬ日本/蒋 介石と毛沢東の重慶談判/重慶の変転と痛苦を象徴する碑名変遷/「一人の殺人は悪漢を生み、百万の殺人は英雄を生む」

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 終 章 空からの虐殺は続く
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二〇世紀は戦争に何をもたらしたか/砲撃の時代から爆撃の世紀へ/「善良な父親」が殺戮のボタンを押す/仮想的・非身体的となった戦争/「9・11事件」 ――新しい戦争が起こったのか?/空からのテロルの新段階/ゲルニカ、重慶からイラクへの道程/時効なき重慶爆撃


【 注 】

【謝 辞】――朝日新聞社版初版刊行に寄せて

【あとがき】――凱風社版に寄せて

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付 録

●引用・参考文献一覧

●重慶爆撃損害に関する資料

●重慶爆撃損害関連年表

●インタビューした人々

●用語解説

●人物解説

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