マギ 星の証言

エイドリアン・ギルバート[著]/田中真知[訳]



左の画像:表紙写真は地に落ちた神々の首(トルコ・ニムロド山のアンティオコス陵墓前)。その次はアンティオコス陵墓の近くのアルサメイアにあるレリーフ「ヘラクレス(右)と握手するミトリダテス王」。その下の2点はいずれもアンティオコス王の陵墓。首のない座像の足のあいだに立っている人間と比べると、陵墓の大きさがわかります。


 本書著者のエイドリアン・ギルバートは、オリエントやエジプトの神秘思想を執筆テーマにし、「ヘルメス文書」にも詳しいイギリスの作家・出版コンサルタントです。NHK出版の『オリオン・ミステリー』ではロバート・ボーバルとの共著でピラミッドの謎に挑み、凱風社の『マヤの予言』ではモーリス・コットレルと組んでマヤの暦の謎に挑みました。いずれも多くの読者を獲得しています。

 今回はエイドリアン・ギルバートの単著で、30年に及ぶ構想の末に、イエス・キリスト生誕にまつわる謎解きに挑みます。イギリスでは1996年に発売即ベスセラーとなり、その後ペーパーバックになってさらに多くの読者を獲得しています。

 タイトルの「マギ」とは、キリストが生誕したベツレヘムの馬小屋へ、星に導かれて訪れた「東方の三博士」のこと。欧米では、お年寄りから子どもまで、知らない人はいないといっても過言ではありませんが、日本では「マギ」といってもなんだかわからない、という人がほとんどでしょう。ちなみに、マギすなわちMAGIは、英語magic(マジック)の語源です。この言葉にはなにやら妖しげな雰囲気がありますね。

 一般に「東方の三博士」は、「救世主」を探して、星に導かれてバビロニア(南メソポタミア)あたりからベツレヘム(エルサレムのそば)やってきたことになっています。しかしエイドリアン・ギルバートにいわせれば、彼らは北メソポタミア(現在のトルコ南部)からやってきた秘教教団の祭司王なのです。またマギが旅に出たのは、ダライ・ラマなどの「転生霊童」探しと同じ目的だったのではないだろうかと、ギルバートは推理します。さらに「ゾロアスターの予言に従って、マギはその転生を探していたのかもしれない」「北メソポタミアにこそ、古代エジプトの失われた叡知が引き継がれていたにちがいない……」「古代の叡知を引き継いだ祭司王は実在した。それは、コンマゲネ王国のアンティオコス王だ――」と、推理を進めていきます。

 このマギの出自をきっかけにしてギルバートは、イエスが「古代エジプトの秘儀」に参入していたのではないかと考えるにいたります。また「古代の叡知」が、どのようにして北メソポタミアで保持され、またいかにして中世ヨーロッパに流れ込んだのかを、現地を訪れながら解き明かしていきます。


◆定価1900円+税
◆四六判 430頁 並製
◆ISBN4-7736-2410-8 C0022
 (2000年8月31日)


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